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日本唯一の経営者専門スーツ仕立て屋
2016年3月5日

ドレステリア神南本店閉店

オープンの際感動で涙したお店が閉店

私が以前在職していたワールドが今苦境に立たされている様です。3000店舗中500店舗閉店に続き、社員500人解雇とまさに創業以来の大ピンチに陥っている様です。私はワールドに憧れ、ワールドに入社する為の就職活動をしました。今こうして独立して仕事をさせて頂いているのも全てワールド時代の経験があってこそなのです。

又妻ともワールドの同期入社と言うご縁から結婚をしました、ワールドに入社をしていなければ妻と結婚をする事もありませんでした。だから退職して10年以上経つ今でもすごく思い入れのある会社です、だから何とか復活をして欲しい,心からそう思っています。そんな中又ショッキングなニュースが入ってきました。

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ドレステリアとはワールドが展開しているセレクトショップです。ドレステリアが出来たのは1998年、社内では従来の卸事業からSPA事業へ大きく事業転換をしていた頃でした。そんな中ワールドで初めてセレクトショップ事業としてスタートしたのがドレステリアでした。

ユナイテッドアローズやビームスなどのセレクトショップが大好きだった私はついにワールドでもセレクトが始まるのかと心躍りました、ドレステリアと言う響きもすごく良い!どんなお店がオープンするのかと心待ちにしてオープン日に上司と一緒にドレステリア神南本店を見に行きました。

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入った瞬間にその世界観に圧倒され感動で涙が出てきました。こんなお店があるのかと。。。船をイメージして作られたお店で店内の床は全てアンティークのウッド、窓も小さい船窓の様な窓。壁面も画一的に塗られた物ではなく、明らかに人の手で何回もペンキを塗り込んだと分かるものでした。

お店は3階建て、1階がアクセサリー2階がメンズ3階がレディース。1階から2階、2階から3階にあがる階段も非常になだらかな階段ですのですぐに上のフロアにはつきません。階段をゆっくり上がると段々と上のフロアが見えてくる、そんな感じなのです。全てにおいてそれまでのお店の常識を覆した作りでした。

6しかもこの階段、お店の一番奥にあるので上のフロアに行くにはお店を横断しないといけません。3階のレディースを見に行く時には1階2階のフロアを横断する必要があるのです。当時の上司はこの作りを見て”このお店はお客様をバカにしている、全く効率的に作られていない”そう言いました。

でも私は全くそんな風に思いませんでした。店内には服だけでなく髭剃りなどのグルーミング商品も置かれていたのですがその都度自分で泡立てて使うタイプのものです。電気シェーバーもいいけどそんなに急がずに自分で泡を立ててたまにはゆっくりとした時間を楽しもうよ、そんなメッセージに感じました。

このお店の中では時間がゆっくりと流れているのです、効率とか費用対効果とかとは無縁の世界。お客様にゆっくりとした贅沢な時間を過ごして欲しい、だから商品の数も多くなく一点一点が吟味されディスプレイされている。このお店に魅せられ何回足を運んだ事か分かりません、いつかこんなお店をもちたいと思える唯一のお店でした。

これはイルサルト淀屋橋サロンの写真ですが私がどれだけドレステリアの影響を大きく受けているのがお分かりかと思います。

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服だけが商品じゃない

8服屋さんには勿論服を買いに行くわけですがそれだけではありません。物を買うなら今やアマゾンで何でも揃います、値段もカンタンに比較する事が出来ます。でもお店の雰囲気やディスプレイ、置かれている什器、流れている音楽,販売員さんとの会話などネットショップでは提供出来ない価値がリアル店舗にはあります。

効率だけを追求するならネットショップで十分です、でもこれからのリアル店舗はネットショップでは提供できない五感に訴える体験を重視するのが大事なのではと感じています。そんな体験を今から20年近く前から提供していたのがドレステリア神南本店でした。

世界観を強烈に印象づけるドレステリア神南本店が無くなるのは非常に残念ですがイルサルトがその代わりになれるような存在になっていきたいと思います。

 

 


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末廣徳司の本
末廣徳司の画像
日本唯一の経営者専門スーツ仕立て屋。
株式会社イルサルト
代表取締役社長
末廣 徳司
tokuji suehiro

経営者、政治家、医師、作家、
講演家、士業、芸能人、
スポーツ選手に至るまで
創業以来11年間で
のべ15,000名を超えるブランド人の
スーツを仕立てる。


「いま似合うかどうかで服を選ばない」
「好きかどうかで服を選ぶと失敗する」
「ブランド物はビジネスを減速させる」



など経営者に向けた
独自の服選び理論を提唱している。

日本経済新聞社主催で
経営者向けの着こなし術セミナー、
コラムの執筆

世界展開するブランド
「トミーヒルフィガー」の
商品開発プロデュースも行う。

大事なことは
「どう生きるのか?」を決め
その生き方に相応しい服を選ぶこと。


1人でも多くの方に服の持つ力、
装う意味や価値を伝え

経営者の生きざまをひもとき
かがやく人生を仕立てあげる

ことをミッションにしている。