経営者専門のスーツ仕立て屋を継ぎたいと言ってきた息子
息子の一言
7歳になる息子が先日”僕大きくなったらお父さんの仕事するわ!”っていきなり言ってきました。
言われた瞬間はすごく嬉しかったのですが,”仕事の時のお父さんはすごく厳しいよ!めっちゃ怒ったりする事もあるけど大丈夫??”と聞くと”それならやめとくわ・・”とあっさり諦められました(笑)
自分の子供に仕事を継ぎたい!と言われ,嬉しくない親はいないのではないかと思います。親が楽しそうに働いていなかったら継ごうとは思わないし,子供の目から見て”継ぎたい”と思う何かがある,だから継ぎたいと言う言葉になると思うのですが,それが義務感であったり,依存であったり,現実逃避や儲かるからと言った理由からくるものであれば継ぐのを止めておいたほうが良い場合もあるのではないかと私は思うのです。
勿論創業からすごく歴史があり継ぐことを生まれた瞬間から決められている場合もあるかと思います。本人も継ぐ事が当たり前だと思っている,でもそれで本人が幸せかどうかは又別の問題です。
イルサルトとワールドの違い
特に自営業の場合は仕事とプライベートの境目があまりなく,四六時中仕事の事が頭から離れる事はありません。私がワールドに在職していた時は金曜に退社する時に仕事のスイッチを消し,休み中は切りっぱなし。月曜日会社について又仕事のスイッチを入れると言う感じでしたが,イルサルトを立ち上げてからは仕事のスイッチを消した事はありません。
それだけ熱中出来る仕事に出会えたと言う事なのですが,独立したり自分が経営者の立場で仕事をする場合は,その仕事や仕事の本質自体が大好きである事が絶対条件なのではないかと思います。上手くいくときもなかなか上手くいかない時もあるのが仕事です,でもその上手くいかない時に上手くいくまで頑張り続けられる事の出来る原動力は”好きだから”とか”使命に感じている”ことからくるものであると思います。
又好きにも色々な段階があり,まあまあ好き,すごく好き,死ぬほど好き,それがないと生きれないほど好き,様々あるかとは思うのですが,その好きの度合いがモチベーションの差になるのではないかと思うのです。
儲けたいと思って始める事は長続きしない
これは私自身の経験からくるものなのですが,私が父の会社を引き継いだ時の精神状態が一言で言えば”依存”だったのです。父が興した会社,それなりに売り上げが立っている,自分自身も小さい頃から何不自由なく育てられた,これからもそれなりに売り上げを作るだろう,そこには”甘え”しかなく,父の会社に入れば生活していけるだろうとしか考えていませんでした。
しかし現実は甘くなく,私が父の会社に入った後は売り上げが下がり続けました。様々な手を講じたのですが悉く上手くいかず社内で孤立し,誰からも相手にされない状況になりました。
もし私が”依存”ではなく,父の会社の仕事が好きで会社に入っていたとしたら上手くいくまで色々な手を打っていたと思います。でも私は婦人服が好きなわけでもないし,お客様の為に何かをしたい気持ちはなく,ただただ儲けたい,生活するためのお金を稼ぎたいとしか考えていなかったので,プレッシャーとストレスに耐え切れなくなり最後は父の会社から逃げるように去ってしまいました。
想像以上の”好き”のパワー
そして”自分の好き”を突き詰めた結果イルサルトの立ち上げに至ったわけですが,最初は好きな事と仕事は別,楽しそうだけど事業として成り立つのかな??と言う感じでした。でもこの”好き”のパワーは自分が思った以上にすごく,仕事をする意味,仕事の仕方が大きく変化し自分の人生が好転していきました。
好きな事でなかったら,儲けたいと思って始めた事だったら今のイルサルトは絶対にありません。
思った以上に大変な跡継ぎ経営者
世の中の後継者は悩んでいる方が沢山いらっしゃいます。後継者って傍から見れば,それなりにレールがあって,立場が用意されていて,事業もそれなりに成り立っているイメージがあって,羨ましく思われがちです。
でも実際に自分が経験してみるとそうでもない。自分でレールを引くよりも,そのレールを引き直すほうが何倍も大変な事が良く分かりました。先代のしている仕事が好きで仕方ないのであればまだ良いのですが,好きではなく義務感や依存状態であるのならこれは本当に大変です。
三代目で会社が潰れる,よく言われている言葉ですが二代目がしている時はまだ初代がいて会社は成り立っているけれども,三代目がする頃になると初代がいなくなっているので会社は潰れてしまう。結局は初代の”好き”のパワーや情熱で会社が成り立っていると考えると理解出来るお話しです。
私は20年後65歳でイルサルトを次の経営者にバトンタッチする予定です。誰にバトンタッチするかは今の時点では全く分かりませんが,どこまで本気でこの仕事が好きなのか?何か使命感を感じながら仕事をしているのか?そんな視点で右腕となる後継者候補を探していきたいと思います。
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