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日本唯一の経営者専門スーツ仕立て屋
2017年11月24日

経営者の装い”選ばない物の基準”を明確に持つ

定期預金を解約して起業した8年前

今から8年前のイルサルトを創業した頃のお話です,私は資金が潤沢にあって起業をしたわけではなく,銀行からの借り入れも全くしませんでしたので,頼りになるのは自分の預金だけでした。

サラリーマン時代に貯金をしていた定期預金を解約(奥さんには内緒にして)し事業をスタートさせたのですが,売上がどれだけ出来るのか全く分からなかったので,とにかく如何にお金を使わずに事業をするかだけを考えていました。

株式会社ではなくお金のかからない個人事業,勿論事務所は持たず,どんなに荷物を持っていたとしてもタクシーは一切使わず,東京や地方への出張は全て格安深夜バスを使って移動をしていました。

exma 043起業直前 藤村正宏先生と

さすがにスーツは昔のスーツと言うわけにはいかないので,起業するにあたってスーツ2着,シャツ3枚,ネクタイ3本を新調したのですが,鞄やベルトにまではお金をかける余裕がありませんでした。

今でも忘れられないお客様の一言

最初私は今の様にサロンを持っていたわけではありませんでしたので,お客様のご自宅や会社まで採寸に行き,出来上がったお品物を又お届けさせて頂く出張型の仕立て屋と言う形式で事業をしていました。そしていつもの様にお客様の所に行き採寸をさせて頂き,終わってからコーヒーを頂いているとそのお客様がこんな風に仰ったのです。

「末廣さん これは愛のあるダメ出しとして聞いて欲しいんだけど,起業したてとかどうかはお客様にとっては全く関係のない事で,お客様の前ではプロの仕立て屋として振る舞う事が非常に大事だと思う。その振る舞いがお客様にも安心を与えると思う。それは振る舞いだけではなくて,どんな格好をしているかどんな物を持っているかも全部含めて,悪い言い方かも知れないけどその人のレベルを表していると思う。

特にお金持ちの方ほどそう言った所に敏感だしよく見ている。そういう意味で言うと末廣さんが今使っている鞄はすぐにやめた方がいいよ,その鞄を持っているとその程度の人間としか見られない。起業直後でお金に余裕がないかもしれないけど,自分の価値を高くすると思って新しい鞄を買った方がいい」

当時私が使っていた鞄は10年以上前にセレクトショップで購入したナイロン製の黒い鞄でした。購入したのは1999年頃で当時ナイロン製のカバンが流行し始めていて,流行を先取りして購入したのがその鞄でした。

大切に使えば味が出る物とそうではない物

ナイロン製の鞄は軽くて持ちやすいと言うメリットはあるものの,購入した時点が最もキレイでお手入れをしても革の鞄の様に艶がでてきたり味がでてくるものではありません。10年ほど使っていたそのナイロンの鞄は汚れ,端の方は擦り切れている状態でした。でも有名ブランドの鞄だし,それなりの値段もしたので少し年季が入っているけどまだ大丈夫かなと思って使っていた鞄でした。

でもそのお客様に言われ気づいたのです,大切にお手入れをして美しい艶が出てきている革の鞄を持っている事は信頼感や安心感に繋がりますが,私が持っていたのはただの年季の入った古くて汚い鞄でしたので,鞄まで気が回らない人くらいにしか思われません。

そしてもう一つはファッションはバランスであり,何かのアイテムだけが目立っているのは浮いている証拠であり,持っているアイテムの中で一番安っぽく見えるアイテムにその人のレベルが見られると言う事です。

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何を選ぶか,何を選ばないのか?

例えば高級そうなスーツを着て,ピカピカの靴を履いている人が,胸ポケットから取り出したのが100円ボールペンだったらどうでしょう?実はこの人普段は100円ボールペンを使うような人で今のこの格好はかなり無理してるんじゃないか?とか一気にその格好が嘘くさく見えてしまうことはないでしょうか?下手をすると信頼感さえ損ないかねません。

着るスーツには,そのスーツに相応しいシャツ,ネクタイ,小物があるのです。そのバランスが取れてこそより信頼感が生まれるものです。何を選ぶかも大切ですが,何を選ばないかも同じくらい重要です。

経営者の仕事は「しない事を決める」と言われることも有り,何に集中するかが大切ですが,服も全く同じです。何を選ぶのか?そして何を選ばないのか?見極める目を持つ事が大切なのですが,これは使うべきかどうか分からない・・そんな時があればいつでもご相談下さいね!


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よりご購入いただけますので
ぜひ読んでください!
末廣徳司の本
末廣徳司の画像
日本唯一の経営者専門スーツ仕立て屋。
株式会社イルサルト
代表取締役社長
末廣 徳司
tokuji suehiro

経営者、政治家、医師、作家、
講演家、士業、芸能人、
スポーツ選手に至るまで
創業以来11年間で
のべ15,000名を超えるブランド人の
スーツを仕立てる。


「いま似合うかどうかで服を選ばない」
「好きかどうかで服を選ぶと失敗する」
「ブランド物はビジネスを減速させる」



など経営者に向けた
独自の服選び理論を提唱している。

日本経済新聞社主催で
経営者向けの着こなし術セミナー、
コラムの執筆

世界展開するブランド
「トミーヒルフィガー」の
商品開発プロデュースも行う。

大事なことは
「どう生きるのか?」を決め
その生き方に相応しい服を選ぶこと。


1人でも多くの方に服の持つ力、
装う意味や価値を伝え

経営者の生きざまをひもとき
かがやく人生を仕立てあげる

ことをミッションにしている。