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日本唯一の経営者専門スーツ仕立て屋
2017年12月9日

中小企業経営者に”再現性”は不要かもしれない

ワールドで口酸っぱく言われていたこと

ワールドに勤務をしていた頃,会社の方針として口を酸っぱくして言われていた事が”再現性を高める”と言う事でした。誰かだけが出来ても意味がない,人が変わったとしても再現性高く精度の高い仕事をする為に急ピッチで色々なシステムが作り上げられていきました。

それまでのアパレル業界は良くも悪くもドンブリ勘定で人の感覚に頼る部分が多かったのですが,ワールドは業界に先駆け人の感覚に頼らない数値的な分析を基盤にした販売管理システムを作り上げていきました。

DSCF2118ワールドに勤務していた頃の写真

人の手によるものだった商品発注も,袖の長さや色,素材と言った商品を構成する仕様を入力すればどの様な販売ラインを描くのかを予測した自動発注システムも出来上がったのです。

無くなっていく服を作る感覚

その自動発注システムが出来上がった時,丁度私はとあるブランドの商品開発の仕事をしていたのですが,何か家電製品を作っている様に感じた事をよく覚えています。可愛い,カッコイイと言った情緒的な判断はそこに一切介在せずあったのは商品を構成する仕様だけでした。

その時に一番売れる色形を分析し,作り上げていく作業は面白い部分もあり全然面白くない部分もあったのですが,そう言ったシステムを導入する事によりワールドは急成長し,販売を科学した初めてのアパレル会社とまで言われる様になったのです。

私自身もそういった環境でずっと仕事をさせて頂き,それなりの成果も出していたのでその方法が正しいと信じて疑いませんでした。精度の高い仕事をするには,再現性の高いノウハウをシステマチックに作り上げる事。

中小規模企業に再現性は必要なのか?

数年前からイルサルトではフランチャイズを開始しています。私が今までに培った経験をノウハウに変え,フランチャイズ店オーナーさんとともにお仕事をしているのですが,今ここにいろいろな矛盾を感じています。

再現性を高くする事がフランチャイズの成功のカギだと信じて疑わなかったのですが,フランチャイズ店のオーナーさんは当たり前ですが私ではありません。今まで歩んできた歴史も全然違う人に私の経験をそのまま取り入れてもなかなか上手くいかない,そんな至極当たり前の事にようやく気付きました。

キャプチャ

”再現性を高くする”ことだけを考えたら人工知能の方が優秀な事は間違いありません。再現性がないからこそ価値がある,その人にしか出来ないから仕事を依頼される。大手企業であれば再現性を高くした方が良いのかもしれませんが,イルサルトの様な会社であればそれぞれの個性を出し独自性のある会社を目指した方がいい。

先日のZOZOスーツのニュースを見てそんな事を又感じています。

中小規模企業の生き残る道

フランチャイズをするのであれば根本の想いが同じであったり,私の考え方に共感してもらう事は非常に大切な事なのですが,実際の進め方はそれぞれの方の個性に合わせた方法をする事でよりオーナーさんの個性溢れるお店が出来上がるのではないかと思います。

これはフランチャイズだけでなく,スタッフも同じです。スタッフの個性や才能を見抜き,その価値が最大化する様に色々な事を整備する,これも経営者の大切な仕事なのではないかと思います。

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イルサルトスタッフの池田,植木,そしてフランチャイズ店のオーナーさんの個性溢れるお店を作り上げていきたいと思います。


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末廣徳司の本
末廣徳司の画像
日本唯一の経営者専門スーツ仕立て屋。
株式会社イルサルト
代表取締役社長
末廣 徳司
tokuji suehiro

経営者、政治家、医師、作家、
講演家、士業、芸能人、
スポーツ選手に至るまで
創業以来11年間で
のべ15,000名を超えるブランド人の
スーツを仕立てる。


「いま似合うかどうかで服を選ばない」
「好きかどうかで服を選ぶと失敗する」
「ブランド物はビジネスを減速させる」



など経営者に向けた
独自の服選び理論を提唱している。

日本経済新聞社主催で
経営者向けの着こなし術セミナー、
コラムの執筆

世界展開するブランド
「トミーヒルフィガー」の
商品開発プロデュースも行う。

大事なことは
「どう生きるのか?」を決め
その生き方に相応しい服を選ぶこと。


1人でも多くの方に服の持つ力、
装う意味や価値を伝え

経営者の生きざまをひもとき
かがやく人生を仕立てあげる

ことをミッションにしている。