経営者が知っておくと得をするパンツの豆知識
シングル?それともダブル?
スーツ屋さんに行ってスーツを買う時に必ず聞かれるのが ”パンツの裾をシングルにしますか?ダブルにしますか?” と言う質問なのですが,皆様はどの様に決められていますか?纏うスーツによって変えたり,常にシングルの方,常にダブルの方色々な方がいらっしゃると思いますが,シングルにするのか?ダブルにするのか?を決める上で是非知っておいて頂きたい事を今日は書きたいと思います。
私がユナイテッドアローズで働いている頃,社内研修でフォーマルウエアの着装方法を教えて頂いた時に,全てのフォーマルウエア用シャツのカフス(袖口)はシングルだと習いました。これはフォーマルウエアのトラウザーズ(パンツ)の裾がシングルであるのと同じ理由だと教えてもらいました。
ダブルの起源とは?
トラウザーズ(パンツ)の裾をダブルにするのは,お洒落で有名なイギリスの貴族が雨の日にパンツの裾が濡れないように折り上げて教会に現れ,その裾を下ろし忘れた姿を見た人々が,最先端のお洒落であると勘違いして真似をしたのが始まりだと言われています。
本来であればパンツの股下の長さは正確に自分のサイズに出来上がっているべきで,折り上げて長さを調節するのは股下寸法が正しく出来ていない証拠です。カジュアル着ならともかくフォーマルウエアは正確に出来ていなくてはいけないので,折り上げるようではいけない,と言うのがフォーマルウエアのパンツの裾がシングルである理由です。
又シングルにはもう一つモーニングと言う仕様があります。モーニングとはパンツの裾を前後斜めにする仕様で,午前や日中に着る礼装のモーニングコートの際に着用するコールパンツの裾の形状からきています。私自身も冠婚葬祭のスーツやディナースーツ(タキシード),ディレクターズスーツの裾は全てシングル(モーニング)で仕上げています。
お葬式は何回も重なってはいけないので,重なる(ダブル)は避けたほうが良いからシングルで仕上げると言う説もありますが,元々服は西洋で出来上がったものですのでこの説は恐らく日本の洋服屋さんが広めたものなのではないかと私は思っています。
シングルにするか?ダブルにするか?
こうした起源をきちんと理解した上で経営者はパンツの裾をシングルにするのが良いのか?ダブルにするのが良いのか?どちらが良いのでしょうか?まず先ほどの理由から,モーニング,ディナースーツ(タキシード),ディレクターズスーツ,お通夜,葬儀用などのフォーマルな装いの場合はシングル(モーニング)で仕上げる事をお薦めしています。
フォーマルウエア以外のビジネススーツの場合は,シングルでもダブルでもどちらでも構いません。ちなみに私はフォーマル以外のビジネススーツは全てダブルで仕上げるようにしています。
これには理由があります。ダブルには裾に重みをつけてパンツの裾のたるみを少なくし,シルエットを美しく魅せる効果があるのです。又ダブルで仕上げる時にはシングルで仕上げる場合よりもパンツの長さを0.5~1センチほど短くするとよりシルエットが美しく仕上がります。
シングルにするのか?ダブルにするのか?もトレンドや何となくで判断するのではなく,こうした歴史を知った上で判断をするとぶれもなくなり,より自分の装いに自信が出てきますので是非経営者の方はこんな事も知っておいて下さいね!
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